夢染織工房 中野夢琉球笛研究所

2010年04月11日

長谷川杼製作所

「杼」は「ひ」と読みます

機を織る時に緯糸(よこ糸)を織り込む道具です

シュッとんとんっ、という機織の音の
シュッを奏でる道具

杼は一生もの。

機織をする人にとって万年筆のような存在で

使うほどに手に馴染み、

滑りの味で仕事の能率も布面も変わります
長谷川杼製作所


首里花倉の細かい織りに使う杼を求めてやってきたのが、
大正末期から杼を作り続けてきた杼屋(ひいや)さん「長谷川杼製作所」
長谷川杼製作所
店主の長谷川淳一さんの杼は、沖縄の織り業界でも高い評価を得ています
一度使うと、もうこれでしか織りたくなくなります

長谷川さんは、国選定保存技術「杼製作」保持者。
「国選定保存技術」つまり、これがなければ国宝指定の技術は途絶える、ということ。

「道具は使い手の使いやすいようにつくるもの」、
という長谷川さん夫婦は、どんな要望にも快く応えてくださいます
長谷川杼製作所長谷川杼製作所

店の奥から次々と現れる様々な形の杼。
それが技術の高さの賜物なのだと気づかされます
全国各地、そして海外の織り職人を支えてくれています
長谷川杼製作所長谷川杼製作所長谷川杼製作所

杼製作もまた、部品製作の職人に支えられています
清水焼の糸口屋、竹細工の駒屋、金物の金口屋の3つの部品を使い、
本体を作る杼製作所が杼に仕立ててゆきます
長谷川杼製作所
ところが今は、3軒とも年齢と共に
次々とやめてしまったとのこと。
残念でならないと哀しそうに話す長谷川さんもまた、
跡取りがいないと言います

「20年乾かした木でないと作れんからね、
今からやっても20年後にしか出来上がらんのやからね」と笑います
長谷川杼製作所

杼は、そうそう買い換えるものではありません
作りの良いものであればなおさら。
家電製品は5年で壊れるように作る、という今の経済社会の中でも
長谷川さんは、100年持つ杼製作に真っ直ぐ向き合っておられました
長谷川杼製作所
作り手が使い手を支えてくれている、
だからこそ、使い手である私は 正直に製作に向き合え、
使い手に一生愛される布を製作したいと 心から思うのです

「互いに信頼あるモノ作り」 その一員でありたい、
改めて仕事への姿勢を正しました


「長谷川杼製作所」
長谷川杼製作所
京都市上京区五辻通千本西入風呂屋町55
TEL:075-461-4747
FAX:075-461-4747



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Posted by 夢布 at 23:03│Comments(0)染織-織物
 
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